外国人の雇用に必要!
スムーズに在留カードを取得するには?
スムーズに在留カードを取得するには?
企業に必要な人材を確保するために、いま注目されているのが外国人の雇用。外国人が日本で働くためには、在留資格を申請して「在留カード」を持つ必要があります。在留カードを取得する手続きはどうすればいいか、在留許可の実績が多い行政書士の鈴木喜昭氏にうかがいました。
日本で働くには「在留カード」の取得がマスト
今、日本で働く外国人労働者はどんどん増え、雇用を検討する企業も多くなっています。雇用する際には必要な知識や手続きがありますので、いつでも対応ができるようにしっかりと準備しておきましょう。
3ヵ月以上日本に滞在する外国人は、基本的に在留資格の申請をします。大きく分けると「身分系」「就労系」の資格があり、許可されると在留カードが交付されます。
身分系は、永住者や日本人と結婚した人、その子供などが対象です。就労系は日本で働きたい外国人に必要なもので、仕事の種類によって細かく分類されています。今回は、就労系の在留資格について詳しく取り上げていきましょう。
就労系の在留資格でできる仕事
現在、外国人が働くことのできる在留資格は、下の表のように分類されています(一部例外あり)。就労系の在留申請が認められると、この範囲の仕事に就くことができます。
在留資格 | 該当例 |
---|---|
外交 | 外国政府の大使,公使,総領事,代表団構成員等及びその家族 |
教授 | 大学教授等 |
芸術 | 作曲家,画家,著述家等 |
宗教 | 外国の宗教団体から派遣される宣教師等 |
報道 | 外国の報道機関の記者,カメラマン |
高度専門職 | ポイント制による高度人材 |
経営・管理 | 企業等の経営者・管理者 |
法律・会計業務 | 弁護士,公認会計士等 |
医療 | 医師,歯科医師,看護師 |
研究 | 政府関係機関や私企業等の研究者 |
教育 | 中学校・高等学校等の語学教師等 |
技術・人文知識・国際業務 | 機械工学等の技術者,通訳,デザイナー,私企業の語学教師,マーケティング業務従事者等 |
企業内転勤 | 外国の事業所からの転勤者 |
介護 | 介護福祉士 |
興行 | 俳優,歌手,ダンサー,プロスポーツ選手等 |
技能 | 外国料理の調理師,スポーツ指導者,航空機の操縦者,貴金属等の加工職人等 |
技能実習 | 技能実習生 |
中でも、一般企業で雇用する際には、多くの場合「技術・人文知識・国際業務」、海外にある本支店間では「企業内転勤」などのジャンルが多いでしょう。
在留資格は入管法で決められますが、2019年4月に大幅な法改正が行なわれます。「特定技能」という在留資格が新設され、これまで認められなかった単純労働が一部で解禁になるなど、雇用を考える企業にも影響が大きい内容です。ぜひニュースをチェックしてみてください。
法改正で追加予定の「特定技能」にあたる業種
- 介護業
- ビルクリーニング業
- 素形材産業
- 産業機械製造業
- 電気電子情報関連産業
- 建設業
- 造船・舶用工業
- 自動車整備業
- 航空業
- 宿泊業
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
大切な情報が記載されている在留カード
在留申請が認められると、身分証明書として在留カードが交付されます。在留カードには、氏名、生年月日、性別、国籍などの基本情報をはじめ、在留資格、在留期間満了の日、就労制限の有無といった大切な情報が記載されています。また、本人確認のために顔写真も貼られています。※有効期限が16歳の誕生日までとなる人を除く。
外国人には難しい申請手続き サポートQ&A
日本で重大な問題になっている不法就労を防ぐなど、外国人の一元的管理のためにも在留カードは重要なもの。在留申請の手続きは想像以上に大変なので、ぜひ理解を深めてサポートしてほしいと思います。
Q1 在留カードがあれば、どんな仕事もできますか?
A1 指定された在留資格に基づく在留カードが必要で、指定外の職業に就くことはできません。例外として、永住者や日本人の配偶者などは就労活動に制限がなく、留学生は週28時間までのアルバイトなどが認められています。
Q2 在留申請を代行することはできますか?
A2 申請は複雑なケースが多く、本人だけでは必要書類を整えるのが難しいかもしれません。就労の場合は、企業の採用担当などがサポートするケースも。入国管理局に届け出をして認められた弁護士や行政書士も、書類提出などの手続きを代行できます。
Q3 申請書類はどんなものが必要ですか?
A3 申請の際には共通する書類に加えて、在留資格によって異なる提出書類があります。必須書類が整わなければ不備となるので、入国管理局のホームページなどを閲覧して確認しておきましょう。
Q4 申請書を作るとき、注意することはありますか?
A4 準備する書類は、発行日の確認をしっかりと。基本的に、日本で取得できる納税や課税証明書、住民票などは3ヵ月以内、海外で取得する出生証明書などは6ヵ月以内とされています。
Q5 企業で申請をサポートするとき、気をつけることはなんですか?
A5 申請人が学校で履修した科目に合った業務、または知識や技術を持つ業務が社内にあるかチェックしてください。実際に現地で業務を行っていたときの写真など本人に有利となる資料や、過去の経歴を実証する証明書は、できるだけ多く添付すると許可されやすくなります。ただし、虚偽の申請は絶対にしてはいけません。
本人確認のため、正しい証明写真を用意
申請書類でもうひとつ大切なのは「証明写真」です。本人が手配した写真が規格と合っていないこともよくあるので、必ず確認してください。
どんな証明写真を提出するか
一般的な証明写真と同じように、提出する写真には規格があります。
- 写真のサイズは縦4cm、横3cm
- 頭頂部からあご先までが2.5cm程度ある
- 申請人本人のみが写っている
- 背景がない場所で、帽子をかぶらずに正面を向いている
- 写りが鮮明である
- 提出日の3ヵ月前に撮影されている など
日本人は理解している証明写真のルールも、外国人にとっては不慣れなことも。私の扱ったケースでは、頭頂部が切れてしまっていたり、スナップ写真を切り取ったり、ポーズを取っているものなどがありました。
10数年前に撮影されたような、古い写真が届くこともありますね。本人確認のため、証明写真は「3ヵ月以内」に撮影されたものと決められています。規定外の写真は、撮り直しが必要となってしまいます。
※記事内容は執筆時点(2019年1月)のものです。「ピクチャン」なら、外国で撮った写真を日本でプリントできる!
証明写真が規格に合っていなくても、本人が海外にいる場合などすぐに撮り直せないこともあるでしょう。スマホで撮った写真をコンビニプリントする「ピクチャン」のようなサービスを使えば、万一のトラブルにもすぐに対処できます。
何度も撮り直して、規格に合うかチェックできる |
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申請時に写真が間に合わなくても、近くのコンビニですぐ用意 |
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在留資格の申請は、本人の一生にかかわる非常に重要なものです。記載ミスや確認モレなどで申請ができない、または誤った記載で不許可になることだけは避けなくてはなりません。スムーズに在留カードを取得して、日本で活躍できるようサポートしていきましょう。